死ぬまでにしたいいろんなこと

墺太利(おーすとりあ)滞在6年

私を生かすもの

隣の隣の国で戦争してる時に何をナマ言ってるんだよと自分でも思うのだが、

最近ずっと頭の中で、繰り返しつぶやいてしまっている言葉がある、

"Do I deserve THIS?"

と。

 

これ以上何を頑張ったらよいのだ。私はもう疲れてくたくたで、自分のためになりそうなことなど、何もできそうにない。

こういう時に人は、買い物とかギャンブルとかの行為依存や物質依存に陥るのだろう。

意識的にも無意識的にも自分でどうにかできることの壁を壊したくて。気をつけなくては。

 

私は健康で、仕事もあって毎日ご飯は食べれている。でも。

 

時々ギフトのように降りてくる幸せな瞬間に救われてまだ立って歩いている。

 

コロナの前に一緒に仕事をしたイタリア人の女性ダンサーとこの間もまた仕事をした。

彼女は20代前半で、芸術一家の一人娘で、多才で美人で知的で性格も良くて、そして誰にも嫌われない社交術の持ち主という、天は人の上にも思いっきり人を作りたもうた!と文句を言いたくなるくらいの完璧な女の子なのだが、

彼女が先週の仕事の途中に、ふと私に話しかけてきて、

「ねえねえ yamori、昨日ね、私、次のオーディション用に古い写真を探していて、そしたら目的の写真の後ろにあなたがうつり込んでいたの」

「あなたね、今ととっても different だったわ」

というので、

「あらそう?どう different だったの?」と聞くと、

彼女はうふふといたずらっぽく私に笑いかけながら、

" You look different now, and I like it " 

などというので、私はあやうく恋に落ちるところだった。

 

基本的には埃と木屑(大道具を修理すると出る)とペンキと機械油に塗れて1日の最後にはヨレヨレになっている私は、その日いちにちお姫様からお言葉をかけていただいた百姓の息子のような気分だった。

 

こういうくすぐったい一瞬がごほうびみたいにあるので、生きている。