死ぬまでにしたいいろんなこと

墺太利(おーすとりあ)滞在9年

死んでません。

多分もう誰も気にしていないと思うんですけど。

 

何が言いたかったかというともうタイトル通りで。

 

ただの生存報告。元気にやってますとは言えないけれど、死んでません、生きてます。

 

いや、元気は元気なんだと思いますけれども。

1月から始めた新しい仕事の生活リズムが、

「もうなんもやることないしブログでも書くか」

という時間をまったく生み出さない笑

 

8年働いたイベント関係の前職では、出張も多くて飛行機の中とか電車の中とかホテルとか、そういうタイミングと言葉を吐き出したいという気持ちが重なってブログにできたんですけど、

現在は毎日平日朝仕事に行って夕方帰ってきて夜までに家事やら犬の世話やら明日の準備やらして、おやつ食べたりノンカフェインのコーヒー飲みながらネットフリックスを1時間くらい見たらもう寝る時間。

土日は友人とあったりゲストをまねいたり、買い物したり趣味のお菓子を焼いたり料理したりお犬様を長めの散歩にお連れしたり庭仕事したり洗濯をまとめてしたり気になるところを徹底的に掃除したりしていると、あ、やばい明日もう月曜じゃん仕事じゃん、みたいな。

 

すっごいまともな社会人生活を送っています。

 

ぼーっとするときも、移動中とかホテルとか空港だと携帯みたりラップトップ開くしかないじゃないですか、だからブログもかけたんですけど、

家だと庭で池の金魚を眺めたりお犬様と日向ぼっこしたり、すごい健康的というかポジティブにぼーっとできるんですよ。ネットサーフィンとかブラウジングとか全くしなくなってしまって。

あとはもうすぐ40なんですけど、老いを感じてきました。

あの、疲れるんです、すごく。

これが噂の・・・!!って感じです。もうエクストラの元気がない。ギリギリのことをやるので精一杯。まあ、精神的にもいろいろありまして、うつとかにはなってないですけど、ずっと緊張感というかがんばらなきゃというプレッシャーがあるのが当たり前の生活になっていたので、その影響もあると思います。

 

愛と勇気は残念ながら私の友達にはなってくれませんでしたが、

今年2歳になったお犬様だけが生きる喜びです。

お犬様のために死ぬことはできない、そう思って毎日生きています。

ただの日記。お犬様の尊さについて。

いま、ソファの上に長座して、膝の上にラップトップを乗せてブログを書いている。

ラップトップの画面の向こう側にお犬様がいる。丸くなって寝ている。

私は足を組んでいて、足首のところで交差している。その上に、お犬様はあごを乗っけて、すうすうと寝ている。

足がしびれているけど、動かせない。寝顔が尊すぎて、足を動かすなんてもってのほかだ。

 

我が家のお犬様は日本では大型犬扱いされる、しかも猟犬系の犬なので、しつけはバッチリしているしトレーニングにも通っている。お犬様と一緒に社会で円滑に暮らしていくために、私がリーダーであるということははっきりさせなければいけない。

 

が、正直、存在のレベルとしては私はお犬様のはるか下である。

 

彼女は美しい。尊い。存在の格が違う。

 

朝わたしが起きたのを察すると、私の顔を覗き込んできて、私の目が開くのを確認すると、これでもかというほど嬉しそうな顔をするお犬様。

私が起きるのをしぶってうだうだしていると、フーっ、とため息をつきながら私の尻によっこいしょ!と体重をかけながら寝転がるお犬様。

お散歩に行くと、車道を渡る手前でお座りしてこっちを見ながら「いわれなくてもわかってます!」と誇らしげな顔をするお犬様。

私が仕事から帰ってくると、しっぽを異様な速さでぴこぴこさせて嬉しさを表現するお犬様。

全速力で走るお犬様。ご飯をおいしそうに食べるお犬様。ただただ平和そうにお昼寝するお犬様。

 

全てが愛おしく、美しい。

 

この方の魂のレベルに1mmでも近づけるように努力しなければ、と思う。

 

最近のよしなしごと。

最近の印象的な出来事をランダムに記録していこうと思います。

 

1、乾燥機のコンデンサーを掃除したらすごいことになっていた

この間いつものように洗濯をして、洗濯物を洗濯機の隣の乾燥機に入れようとしたら、コースを選ぶダイアルが、普段全然使わないモードになっていまして。別にたいしたことじゃないんですけど、なんか気になりまして。夫が使ったのかな?と聞いてみると、いや、いつものモードしか使っていないと。私が前回使ったときにうっかり触ったんだろうと思って、洗濯物を乾燥機に突っ込んでいると、それでも何か違和感が。

・・・なんか変な匂いする?と思って、開けたことがない乾燥機下部の蓋っぽいものを開けてみると、なにやら取り出せるようになっている部分があり、その横にカレンダーのような図がついていて、どうやら1ヶ月に1回はこの部品を掃除しろという意味らしい。ググってみるとこれはコンデンサーで、1ヶ月に1回はホコリをとって水洗いするべきだと。

・・・この乾燥機を購入してから5年、洗った記憶がない。引っ越す前、この乾燥機を買ってまだそんなに経たない頃に「あー、これも掃除しなきゃいけないのね」と思った記憶があるが、洗った記憶は・・・ない。

恐る恐るコンデンサーを取り出して見てみると、まあ、すごいことになってまして。

おそらく5年分のほこりと、うっかりコンデンサーにまで紛れ込んだ異物が3cmくらい堆積しておりました・・・臭いの原因はこれでした。

コンデンサー式乾燥機をお持ちのみなさま、お気をつけください。

乾燥機のダイアルがいつも使わないコースになっていたことは、おそらく心善き妖精か神様が乾燥機が壊れる前に教えてくれたのだと思って感謝しております。

 

2、お犬様がただただ尊すぎる

土日祝日に出張だらけだった前職をやめてから、お犬様と毎日お散歩に行けるのが尊いです。普通の人がお休みの日に私も家にいることができるようになり、お犬様にもお友達ができ、わたしにも犬友ができました。お犬様が自然の中で仲の良いお友達と全速力で駆け回っているのを見ていると、この方の喜びのお力になるのが私の使命・・・!と決意を固くしております。私が暇そうにしていると、ひっぱって遊ぶ用のおもちゃを尻に押し付けてきますが、私が精神的に疲れてぐったりしていると、彼女の一番のお気に入りのうさぎのぬいぐるみを私の膝の上にぽん、と置いてくれます。「これ貸してあげるから元気だして?」という意味だと勝手に解釈して感きわまり、号泣しております。こんなに純粋で美しい魂に一応「ご主人様だから言うこと聞かなきゃ」と思っていただいているなんて、申し訳ないというかもったいないというか。

 

3、あてにしていた次の仕事を断ったので求職中

6月に前職を辞める直前に、友人が働いている会社でホームオフィスできる人を探しているということで、その会社の偉い人とも電話して、口約束でしたが雇ってもらえることがほぼ確定していました。が、7月に入ると決定権のある役員が夏休みだなんだと引き延ばしに引き延ばされ、9月に入ったところで、いい加減にしてくれないと困る、と友人を通してベルギーにある本部に言ってもらったところ、「今からこの採用が人種的、ジェンダー的に差別のないフェアな採用か審査する部署に送るからあと数週間待ってね!」というメールが来て、私が「黄色の中年女つかまえておいて何抜かすんじゃ、もういいわ!(意訳)」と切れてお断りいたしました。とりあえず近所でパートタイムの飲食の仕事を見つけて、今週から働いております。飲食の仕事好きなんですけど、どんな職種でも技術や経験がしっかり積めるところがいいので他にも色々応募中です。

 

4、最近外国人への風当たりが強いけど、それも仕方ないよね、と外国人の私が思っちゃうほど政治への不満が溢れているオーストリア

とどまるところを知らないインフレ、びっくりする値段のガソリン代、それでもどんどんお金が注ぎ込まれるウクライナ情勢、そこに来て難民に対する優遇政策や、難民が犯罪をおかしたというニュースが立て続けに入ってくると、それは外国人嫌悪にもなりますわと外国人の私でも思います。肌感ではここ1年くらい、なんか外国人差別的な意味で嫌な気分にさせられることが増えました。同情はするけど、私にやらないでくれと思います。私、税金払ってるし犯罪犯してないし騒いでないし。

 

夏が終わりもう短い秋も終わったようで、先日我が家にも初霜が。

冬季うつに気をつけながら頑張っております。

 

ただの日記。秋晴れのお散歩道と、ポルトガルの友人について。

今日の天気は秋晴れ。

 

雲ひとつない空に太陽が燦々と照っていて、でも風があるから暑くない。

畑しかないひらけた丘陵地帯をお犬様と歩いていると、

本当にただただ風が気持ち良くて、ふたりして立ち止まって目をつぶって風を堪能していた。

あまりにも完璧にうつくしいお散歩日和で、記録しておきたくなった。

 

8月にイタリアにマリアを訪れた時に会った別の友達サラが、フランス南部の街ニームで仕事してるから遊びに来なよ!というので、8月末にフランスに滞在。

その後別のイギリス人の友達アイラが、今年からポルトガル人のボーイフレンドとポルトガル北部の街ポルト近郊で同居を始めたので、改築のお手伝いついでに遊びに行った。

 

どこの町、というか村でも、平たい顔族はほとんどいないためかものすごく好奇の目で見られたが、出会った人はみんな親切だった。とくに個人的にフランス人にいい思い出のなかった私には、1日観光したマルセイユでの、サービス業の人たちの観光客への親切さに驚いた。もっとarrogant なのかと思ってました。ごめんね。

 

ポルトガルではアイラのボーイフレンドのご両親がいつもご飯を作ってくれて、それがおいしいのなんのって。「油で揚げる」という調理法を日本に伝授したポルトガル料理。素朴で油をいっぱい使ってて、シンプルに塩と胡椒とレモンで味付けされていて、おいしくないはずがないわけなんだけど、そこに素材の良さが加わって(お魚はパパが釣ってきたものだし、鶏肉はご近所の農家でその朝シメてきたもの)、エンドレスに食べられるという。そしてどこにいってもついてまわる、ついつい1日ひとつは食べてしまう pasteis de nata(エッグタルト)。私はこのお菓子が世界で一番おいしいと思っている。

 

アイラは私より10歳も年下なんだけど、小さい頃から色々苦労してきて、それが全部彼女の魂の美しさになっているとても稀有な存在で、

私がドイツで仕事をしていて、色々大変なことが各方面で起きておりとりあえず全部黙って抱えこむしかなくなっていたところに、いつもちょうどいい距離で、でも心から、気づかってくれたのがアイラだった。

アイラはボーイフレンドのミゲルの実家の古い納屋を改装して二人でビジネスを始めたところで、私たちはガラクタを整理したり板戸に防腐剤を塗ったりホームセンターまでドライブしながら、パートナーや家族との生活、生きることについて、以前のようにたくさん話した。

最近ふたたび夫に思うところある私が、

「lazyでボーーーっとしてるパートナーにうんざりしているのは私だけじゃないのね」

というと、

「Oh my god you are not alone!! 100%!!」

とアイラが叫んで、大笑いした。それだけでもう私は一人じゃないし、一人でも頑張れると思った。

私はいつも彼女の正直さに救われる。この人の魂は少なくとも私が出会ったことのある人間の中でもっとも強く美しい。そして20代半ばでこんなにも強くならなければいけなかった彼女の運命に圧倒される。物心ついてからは両親を助けるために生き、最愛の父を早くに亡くし、親元を離れてからは病気を抱えた保護犬と、仕事場でできた友人や同僚を助けるために生き、イギリスに住むこれまた病気を抱える母に何かあれば文字通り飛んでいって、まるで息をするように人を助けている彼女。

いつでも家族や仕事に翻弄されて、根を張ることのできなかった彼女が、美しい海沿いの街で、たくさんの花を咲かせることをただただ願ってやまない。

最終日、アイラが車で空港まで送ってくれた。

いつもなら旅行の最後は、家に帰ってゆっくりしたいなあ、という気持ちに自然となるのだが、今回ばかりはもっといたかったなあ、と思ってしまった。

お互いに、I'm missing you already!!と車内でいいあっていると、アイラが、

Don't go home! Stay with us! Live with us!

と言って、少しさみしそうな顔をした。

私は喉元までYesがこみ上げてきているのを実感して驚いた。

 

ポルト郊外の賃貸はオーストリアより全然安いし、物価も安いし、夏も冬もマイルドでお犬様にもパーフェクトな天候だし、海はあるし山はあるし、ビザと言葉の問題さえクリアできれば、私にとってはオーストリアよりも理想的な場所とさえ言える。

我が腰重き夫は彼の美しき国オーストリアから絶対離れられないだろうから、そのときはまた以前のように置いていくしかない。

 

オーストリアに戻ってからも、ときどきその夢を見る。ポルトガル語の勉強も始めてみた。今までスペイン語、イタリア語、フランス語と勉強しているが、発音が嘘みたいに難しくて心が折れている。もうすでにフランス語の発音で折れていた心がさらに折れるほどの難しさ。

スペイン語とイタリア語は母音の発音はカタカナ発音でどうにかなるんですよね。)

 

冒頭に書いたように、ここでの暮らしを私は愛しているが、もし私がもっと自由になれる道があるのなら、私はそれを選ぶべきなのかもしれない。

死ぬまでにできることをできるだけやろう。

イタリアの友人、マリアについて。

先週1週間ほど、イタリアの友人マリアの実家のイベントを手伝いに行っていた。

マリアは8年前、仕事で知り合ったイタリア人の30歳の女性アーティストで、物凄い才能もあって家族の後ろ盾(パフォーマー・アーティスト一族)もあってえらい美人で性格も良いという、天は人の上にも人を思いっきり作りたもうた!とシャウトしたくなるような子なのだが、私のようなちんちくりんの何かを気に入ってくれて、それからも定期的に仕事で顔を合わせているうちに、いつの間にか友達になっていた。

彼女の実家はイタリア北東部の都市フェラーラから車で30分ほどのところにある、代々続く兼業農家で、広い敷地と古くて巨大なお屋敷を利用して夏はお祭り・イベント会場として貸し出すことが多いそうで、そのうち彼ら自身が主催のお祭りの一つを手伝ってきた。

私がイベント運営会社を辞めると決めたタイミングで、マリアの実家の会社も取引をしばらくお休みすると決めたので、しばらく会えないし、前から遊びにおいでと誘われていたので、仕事を手伝うかわりに衣食住のお世話をしていただくことになった。

 

ja.wikipedia.org

最初は「手伝いって言っても遊びに来てくれてるんだから、無理に働かなくていいんだからね?」などと言われていたが、ちょっと前に主力の従業員がやめてしまったとかで人手が足りなく、思った以上に働かされたw 重機が運転できると農家とイベント、両方で重宝されます。

 

灼熱35度の中、ノースリーブにショートパンツで屋外設営などやっていたら、猛烈に日焼けして蚊に刺されまくった上に虫除けスプレーにかぶれたか何かで、腕と脚に物凄いかゆい湿疹が出たのを除けば、割と楽しい滞在だった。

(後で医者に行ったら「日焼けによる軽度の火傷と何某かのアレルギーと接触性皮膚炎の混合」と言われて、大人しく抗ヒスタミン剤と冷却保護ジェルを塗っている)

 

イベントが終わった翌日、マリアとその友人ふたりと私の4人で、フェラーラの街まで出て彼女のお気に入りのピッツァリアとアイス屋をはしごして、夜の街をぶらぶら散歩した。

 

フェラーラは小さいけれど中世の雰囲気を色濃く残す街で、学生の街でもあるそうで、観光客スレしていないというか、清潔でアートを愛する感じが伝わってきた。

 

ここでマリアがどんな子かを書いておきたい。

 

マリアは17歳の頃にパフォーマンスの仕事を通じて知り合ったスペイン人の男の子と大恋愛して、10年付き合って同棲もして誰も彼も公認している状態で、修復不能破局を迎えて以来、真剣な男女の付き合いは当分まっぴら、という状態がここ数年続いている。

マリアの元彼のことは私も彼女に会った当時から知っていて、一緒に仕事もしたことがある。彼は寡黙でパフォーマンス一筋みたいなところがあって(しかも天才)、家族とマリア、一部の友人以外とは話しているところを見たことがない。マリアを心底愛しているように見えたが、実際は親しい人にほど難しいところを押し付けてしまう内弁慶というか、ボーダーライン的というか、非常に困難な性格の人物だったらしく、彼女を突き放しては思わせぶりな態度を取り、彼女が戻ってくるとまた突き放すということを数回繰り返したのち、マリアの方から立ち去ったのだった。

 

別れる別れないの嵐の中にいた当時のマリアは、仕事場ではそんなそぶりを一切見せず、鈍感な私は一切気づかなかったし、私もマリアもプライベートの悩みを話すような間柄ではなかった。他の人から彼らがうまく行っていないという話を聞いた後も、彼女の美しい気丈な振る舞いを、鼻を突っ込んで嗅ぎ回って汚すようなことはしたくなかったので、何も聞かなかった。

 

それがどんなタイミングだったか忘れたが、仕事場の隅っこで二人で話していて、愚鈍な私が「あれ、明日帰りの飛行機イタリア行き?今実家帰ってるの?」などと聞いてしまい、マリアがごまかしもせず微笑みすら浮かべながら「彼に家を追い出されて実家にいる」と言ったのだった。私が言葉を失っていると、

「彼は私の理想の男性だし、もうこの先彼以外の男性を愛せないと思う。でも、もう彼と一緒にいてはいけないというのもわかっているの」

と言いながら顔を背けた彼女の左頬に流れた涙の美しさと悲しさを私は忘れないと思う。

振り返った彼女はいつものキュッとした顔で笑いながら、

「yamori, 男なんてみんなクズよ!」と冗談めかして言った。

 

それからなんとなく、ふとしたときに自分が考えていることや何か、仕事上の連絡とか世間話よりちょっと踏み込んだことを話すようになった。仕事場でマリアの他に同じ歳くらいのイタリア人とスペイン人の女の子数人が集まるグループがあって(私たちはそれを"Las Chicas"="the girls"と呼んでいた)、そこにお呼ばれしてご飯を食べに行ったり飲みに行ったりした。

そうこうしているうちにマリアの笑顔が増えて、美しいけれどさみしそうな影も薄れた。それでもいまだに何かというと、

「yamori, 理想の男なんてこの世にいないのよ!」

と言ってニカっと笑う。

 

そう、それで滞在の最終日、フェラーラの街をマリアとその2人の友達(そのうちの一人は las chicas の一人で、私の友達でもある)とふらふらした。ピザとアイスで満腹で、ビールも入って、夜の街は昼の暑さが嘘のように涼しくて、私たちは雰囲気のいい場所があるとセルフィーなんか取りながら、「we deserve this!!」と言い合った。だって私たちはこんなに「いい子」なんだもの。

なんだか雰囲気のいい、赤レンガの壁に囲まれた吹き抜けの中庭で、他の二人がカメラの角度の調整に夢中になっている時に、マリアと話していて、このところ夫とのことで色々思うことのあった私は、

「こうやって頑張り屋さんの女の子たちだけと住みたいわ、男より清潔だし、よく気付くし、臭くないし」とできるだけ冗談めかして言ったのだった。マリアが

「そうね、yamori、でも、 there is no perfect...」と言ったのを、

「no perfect relationship?」と私がつい彼女をさえぎって言葉を引き継いでしまうと、彼女は

「yes, that's right too...but I wanted to say, "There is no perfect life".」

と、以前見たことのある悲しそうな微笑みを浮かべながら私の目を見ずに答えた。

 

黄色っぽい街灯に照らされてぼうっと浮かぶレンガのテラコッタ色と、彼女の豊かなブルネットの髪(元彼の好みでずっと腰まであった髪を、そういえば彼女はバッサリ肩下までで切っていた)のコントラストが余計に悲しさを強調していた。

こんなに完璧な彼女に、「there is no perfect life」といわしめる世界の残酷なことよ。

 

帰りの飛行機の中で、ずっとこの「there is no perfect life」をガムみたいにかみしめて帰ってきた。そうでもしないと、自分の完膚なきまでに不完全なライフに戻って来られない気がしていた。

帰ってきて1週間経つ今日も、私はこの言葉をかみしめている。そしてしばらくより長い間、この言葉を必要とするだろう。

 

There is no perfect life.

There is no perfect life.

日本に帰っていた。日本から帰ってきた。

3週間にわたる日本滞在から帰宅してこれを書いている。

 

その間、親戚に預けられていたお犬様は、ソファに座る私の横で毛布にもたれかかってぐったりしている。いつもならソファがあったまると数分でどこかに行くのに、今日は不動。私がいなくならないように、監視しているのかもしれない。

 

そんなお犬様を見てもう二度と夫を連れて日本には行かないと思った。こんなに寂しい思いをもうさせたくない。今後夫はお留守番決定。

 

しかしどうしても私は、あと20回は会うのが難しいであろう両親に会いに、お金が許す限り日本に帰りたい。2週間も一緒にいるとイライラしてくる両親であろうとも。(次からは両親と過ごすのは2週間以内におさまるように計画しようと決意)

 

なんか色々、書きたいことはあったのだが、隣で時々フスフスいいながら眠るお犬様を見ていたらどうでもよくなってしまった。

 

もう私は両親に会う以外の目的で日本に帰ることはないだろう。全ての用事はそのついでになる気がしている。

 

私に必要なものは全部ここにある。

とりあえず転職が決まったようだ。

気付いたら6月になってしまったのでこれを書いている。

 

お犬様の発情期は1週間前ほどに終わった。今はもう出血もなく、外陰部もほぼ元の大きさに戻っている。なんだかんだ3週間以上続いたことになる。まあ、最初の発情期としては正常か。

 

先週、有給を楽しんでいたところ、人事権をもつ上司から突然、Zoom ミーティングをしてもいいかメールが来た。ちょうど夫のミーティングに合わせて街に出てきて、買い物でもしようかと思っていたところだったので、時間もつぶせるし別にいいかと思ってカフェに入ってミーティングを開始。

 

単刀直入にいうと、割といい感じの退職金あげるから、合意解約(解雇でも自主退職でもない)してくれないかなという話だった。

 

上司は経営陣から、私たち設営解体(肉体労働かつ単純労働)スタッフから2名をある一定の期間以内に解雇せよという命令を受けたそうだ。解雇するとなると、訴えられたら会社が負けることも大いにあるし、余計なお金が盛大にかかるリスクが大きいので、会社にとっては多少の退職金を払ってでも円満に辞めていただいた方がありがたいのだろうと理解した。

まあ色々あって私が胃炎になったのは周知の事実だし、私も「yamoriやめるらしいってよ」という噂が流れるのはわかっていてそのままにしておいたので、上司の耳に入ったのだろう。

結果オーライ。

 

数日考えて、色々調べて、OKのお返事を出した。まだ合意解約の書類にはサインしていないが、よっぽどのことがなければ6月末にサインして、私は晴れて無職である。

 

「もう遅くとも今期(8月末まで)で辞めてやる」と決心してからボチボチ転職活動をしていたけれど、どれも見事にお祈りメールで幕を閉じるパターンで、心が折れかけていたところ、

知人の会社が新たにホームオフィスで英語とドイツ語で仕事できるアシスタントを雇おうとしていることを知り、声をかけられたので、お受けした。予定通りに行けば8月から雇用される予定。

まあ、どっちの言語もネイティブじゃないんですけども、どんな人柄かもわからない奴を一から教えてやっぱり合わなくて辞めさせたり辞められたりするより yamori に説明する方がいい、ということだった。

 

正直、自分が時間と労力をかけて伸ばしたい技能を含む職種ではないので、単純にお金をいただくための仕事であるが、簡単だし勤務時間も短くてすみそうなので、自分のやりたいことは空いた時間にお金をかけてやることにした。本当はそれでお金がもらえるのが理想だけど、そうなるように努力しよう。

 

あとは流れにまかせる。go with the flow. じたばたしない。流れにムダに逆らって体力を失って溺れても仕方ないので。

 

7月は日本に行く予定なので、ジタバタするかどうかは、帰って来てから考える。