死ぬまでにしたいいろんなこと

墺太利(おーすとりあ)滞在6年

ただの日記。海洋国家出身者の郷愁。

海の近くの街に来ている。

残念ながらイタリアとかクロアチアとか、オーストリア人がよく行くような暖かい海ではなく、ましてやバカンスでもなく仕事である。

 

現地に到着したのは15時ごろで、仕事は次の日からだし、お天気はとても良いし、日没までは5時間以上あるし、海でも眺めようとお散歩に繰り出したら、ホテルのロビーあたりでうろうろしていた同僚4人とばったり出会い、彼らもお散歩に同行することになった。

 

港について日向ぼっこをしながら、同僚がリュックに入れて持ってきたビールをあけて乾杯し、まだちょっと冷たい潮風に吹き晒されながらそれをちびちび飲んだ。

知らなかった同僚の過去の職歴の話とか、仕事場でのおもしろミステイクランキングとか、最近 yamoriは locker(=relaxed)でいい感じだよね、とか、ぼちぼちとなんとはないことを話しながら日没まで港にいた。時々パンをねだりにくるカモメと、執拗にビールびんをねだりにくるホームレスのおじさまをあしらいながら。

 

結局そのあとは近くのバー、ホテルの部屋と場所を移しながら23時ごろまでだらだらと弱いビールを飲み続けながら同僚たちと過ごした。以前なら仕事の前日にお酒も飲まなかったし、こんな時間の使い方絶対にしなかったのに、と自分でも思ったし同僚にも言われた。

30も半ばになって、だらだらと無為に、誰かと時間を過ごすことの贅沢さを知る今日この頃である。

 

次の日は7時前には目が覚めた。海から昇る太陽は大きい。カモメの声の中で過ごす朝の時間がサウダージを引き起こすものだと初めて知った。昨日私が「海を見に行く」と言ったら、それはHeimweh(=ホームシック)か?と聞いてきた同僚がいたが、あながち間違いではないかもしれない。私は海辺の街で生まれ育ったわけではないが、海に囲まれた国に生まれ育ったので。

 

この年齢になっても知ることばかりであるが、肉体はどんどん衰えていく一方なのが哀しい・・・とOstsee を見つめながら郷愁に浸りつつ、仕事をしています。