死ぬまでにしたいいろんなこと

墺太利(おーすとりあ)滞在6年

ただの日記。曇り空、お買い物、義母のバニラキプフェル。

今日のウィーンはまったくウィーンらしい冬の日だった。

つまりどんよりと曇っていてとても寒く暗い。

昨日までの数日は東京の冬晴れの日のようでとてもすがすがしかったのに。

今日なんか午後3時の時点で暗すぎて電気をつけなくてはいけないくらいだった。

 

今日のように平日に休みの日は、できるだけ在宅勤務の夫と予定を合わせて散歩がてらお買い物に行く。今日はウィーンで一番大きい市場のナッシュマルクトの方へ出かけた。ナッシュマルクトに隣接して、アジア系ショップが立ち並ぶ一角があって、よく私たちはそこにある中華系スーパーに行く。今日もそこで年末とお正月用の細々としたものと、ウィーンの普通のスーパーでは手に入らないほくほくするさつまいもを買った。

オーストリアの普通のスーパーで売っている中がオレンジの「Süßkartoffel = sweet potato」は、名前の通り「甘いじゃがいも」のような感じで、甘いっちゃ甘いんだけど、水っぽいのである。揚げてさつまいもスティックみたいにすればおいしいんだけど、焼き芋とか、大学芋には向かない。

美味しそうな大根が売っていたのでそれもカゴに入れる。さらに辛いもの好きの夫が、火鍋の素を発見して、食べてみたいというのでそれも購入。アジアスーパーで財布の紐がゆるゆるになるのは、在外邦人あるあるだと思う。

スーパーを出て小腹が空いたので、ナッシュマルクトまで行ってファラフェルを買ってつまむことにした。ファラフェルは中東のひよこ豆のコロッケで、ナッシュマルクトではたくさんのトルコ系のお店が、これを売っている。

ロックダウンでガラガラのナッシュマルクト、店員もお客を引き止めるのに必死で、ファラフェルが欲しかっただけなのに粘り強くマシンガントークと試食をくりだすお兄さんに根負けして、オリーブの塩漬けを予定外に購入。まあ、お兄さんの2人だか5人だかいる子どものごはん代になるならいっか(毎回言う子供の数が変わるんですこのお兄さん)。

そのあとお気に入りのソーセージ屋でいつもの辛いサラミを薄切りしてもらったのを義母にお裾分けするために多めに買った。

 

帰りに義母の所に寄り、サラミとオリーブをお裾わけしたらとても喜んでくれた。コーヒーをご馳走になりながら、今年のクッキーの準備はどんな様子か聞く。毎年、クリスマスのクッキーは義母の担当なのだ。ふだん全然料理をしない義母だが、クリスマスのバニラキプフェル(Vanillekipferl、ウィーン発祥のクリスマスに食べる三日月型のクッキー。大量のアーモンドパウダーを入れるため、成型が難しく、難易度が高い)は絶対に彼女が焼く。彼女のバニラキプフェルが誰が作るものよりおいしいと夫はいう。私もまだウィーン歴5年だが、義母のバニラキプフェルを超えるものに出会ったことがない。サクサクで、ほろほろして、甘くて、口の中で溶けていく。義母曰く、バターが重要で、バターにも当たり外れがあり、外れのバター(大抵は安いバターとのこと)に当たると、生地がモロモロと崩れてしまうのだそうだ。

今週から第一弾を作り始めると言っていたから、今週末にはおいしいバニラキプフェルでお茶ができるかもしれない。楽しみだ。