死ぬまでにしたいいろんなこと

墺太利(おーすとりあ)滞在6年

私の「オーストリアの甘いもの名物」好きランキングの変遷

自分で焼いた Apfelstrudel(オーストリア版アップルパイ。あったかいまま生クリームorバニラアイスorバニラソースを添えて食べる) を食べながらこの日記を書いている。

オーストリアの甘いものの中で、Apfelstrudel が一番好きかもしれない。

ウィーン菓子の王といえばザッハートルテであろうが、あれは1年に1度、日本や遠方の国から友人や親戚が遊びに来た時にホテルザッハーのカフェでテーブルを予約して食べて「やっぱりたまに食べるとおいしいね、さすがザッハーだね」と語るものであって、少なくとも私は普段「ザッハートルテが食べたい」とは思わない。おいしいけれど、どうにも重たすぎる。

そういえばしかし私が Apfelstrudel 好きになったのもザッハーがきっかけだった。2年前に私の叔母を連れて、夫と夫の親族とザッハーに行き、全員がメランジュとザッハートルテを頼む中、私はなんとなくザッハートルテの気分じゃなくて、Apfelstrudel を頼んだのだった。

それまで Apfelstrudel に対しては、

「リンゴをパイ生地でくるんで焼いたらそうなるよねっていう味」

以外の印象をもっていなかった私だったが、さすが老舗ザッハー、私の先入観を打ち砕く美味しさであった。添えてあるバニラアイスとの相性まで考えてあるのではないかと思うほど、完璧なハーモニー。それが確か2019年の秋のことだった。

2020年は、有名カフェの Apfelstrudel を食べ比べようと決めていた。しかしCOVID-19とかかるロックダウンによりその予定は叶わず、自分で焼くようになったのだった。

生地自体は自分で作ろうとすると大変だが、スーパーで売ってる既成の生地でも十分おいしいし、このお菓子は「出来立て」であることがなにより重要な美味しさの要素であって、そこがクリアできればリンゴを切ってバターで炒めたパン粉と混ぜて焼くだけなので超簡単。レーズン・バター・ナッツ・パン粉の配分、パン粉の焦がし具合、シナモンやラムの効かせ具合など、自分好みの味を追求するのも楽しい。

それ以前は Faschingskrapfen(あんずジャム入りイーストドーナツ)が一番好きだったが、Krapfen がおいしいお店の近くから引っ越してしまって、それ以来、めっきり食べる回数が減ってしまった。こちらは自分で作ろうとするとイースト入りの生地を作らないといけないし、手間が半端ないので自分で焼くには至っていない。

 

休日が「仕事のある日にできない用事をこなす日」になってしまって数ヶ月経つ。その中でお菓子作りと料理は大切な休日の楽しみである。次は何を作ろうか。