もう1冊、今年に入ってから読んだ本を忘れていた。
実は栗城さんには、亡くなる数年前から少し注目していた。あまりいい意味ではなく。
私は昔から、
「わかりやすい嘘をどんどんついてしまう人」
に、なぜかとても興味があり、
この人も、アンチだとか、そういう意味ではなくて、
「なんでこういう言動をしてしまうんだろうか?」
と興味の目でなんとなく見つめていた。
亡くなったとニュースで知った時、意外な感じがした。
ただ人に注目されたくて、好かれたくて、考えなしだけど、明るい人なのだと勝手に予測していたので、さすがに死ぬような真似はしないと思っていたのだ。
この本を読んで、そういうことだったのかと思った。
死んだ人に許可は取れないし、最後の部分を書くことに、著者も葛藤があったろうし、賛否両論あるだろうと思う。明らかにそれはプライバシーの侵害であろうという意見も納得できる。
でも著者がここまで書ききったのは、彼を死に追いやってしまった「何か」の一部が自分であることへの償いなのだろうと思った。
インターネットの世界の急速な進歩とこれからも進む普及とさらなる変化の中で、
こういう理由で死んでしまう人は増えていくのかもしれない。