死ぬまでにしたいいろんなこと

墺太利(おーすとりあ)滞在6年

オーストリアお米事情

 

 澳国に来て5年、コロナの影響で仕事ができず、毎日自炊の私が何を食べているかと申しますと、毎日米です。しかも日本米。

 

父が某コメどころ出身で、周りはみんな米農家!みたいな環境で育ち、父の友人たちからお米を取り寄せていたため、実家では某所産のコシヒカリ以外は口にしたことがありません。1993年のコメ不足騒動の時ですら、私はタイ米を一口も口にせずに過ごしました。

 

オーストリアに来た当初は、奨学金を切り詰めて生活していたので、スーパーで1kg2ユーロくらいのRundkornreis(丸い粒の米)を食べていたのですが、やっぱり味が違う。それからは他の食費を削ってでもアジアショップでイタリア産のコシヒカリを買うようになりました。

 

最近はもっぱら、夫が日本に出張時に、私の両親が3kgとか5kgとかお米を持たせるようになったので(※日本から精米は持ち込みOK)、

1年のうち6ヶ月くらいは日本のお米を食べることができています。

(ちなみに私が2年に1回日本に帰れるかどうかという状況で、夫は確実に年に1回、多いときは2回も日本に仕事で行くので、夫と両親との仲は深まる一方です・・・)

 

最後にもらったお米は、1月に私が帰国した時と、2月に夫がもらってきたもの。

もうそろそろ無くなりそうなので、来週からはイタリア産コシヒカリに戻ります。

イタリア産コシヒカリ、普通においしいですが、日本のお米に比べるとやはり味は落ちます。好みの問題かもしれませんが。何だろう、さっぱりしているというか、粘りがないというか。

しばらく我慢です・・・我慢というほどでもないけど。

 

 

ちなみにオーストリア人もお米をそれなりの頻度で食べる人は結構いて、夫も私と会う前から食べていたそうなんですが、その米っていうのが、小さな穴がたくさんあいたビニール袋に入っていて、それを沸騰したお湯の中に20分放り込んで茹でていただくという、

「マイクロプラスチックとか大丈夫なの!?」

と心配になる調理法の製品、Uncle Ben's です。

 

 (写真はワイルドライスが混じっているやつですが主力製品はシンプルなパーボイルド米です)

 

夫と付き合い始めのころ、

「今日はお米を料理してあげる!」と言われて、

出てきたのがこれだったときは、

「こんなの米じゃねえーーー!!」とちゃぶ台ごとひっくり返したくなりました。

ちゃぶ台じゃなかったのでひっくり返せませんでしたけど。

 

このUncle Ben's、パーボイルド製法(栄養価が高く、粘りがなく、調理時間が短い)が売りとのことで、夫も「料理簡単だしパラパラしたお米が食べたいときはこれがいいんだ!」と最初は申しておりましたが、

次の週に私が日本米(特Aクラス)と日本製のいい炊飯器(欧州の電圧対応)を持ち込み正しくお米を炊いて食べさせたところ、

「今まで自分が食べていた米とは・・・」とちょっとゲシュタルト崩壊をしておりました。

また、炊きたてのお米をラップでぴっちり小分けにパックし、粗熱をとって冷凍して、食べたいときにレンジでチンすればいつでも炊きたてのような美味しさのごはんを1人前だけ食べられるという日本人なら常識の技術を翌日披露したところ、彼の中で Uncle Ben's の存在意義がなくなったようで、それ以降は日本米しか食べなくなりました。

 

私もカレーなどの東南アジア系料理にジャスミンライスなどの粘りのないお米はおいしいと思います。たまに自分で買って炊いたりもします。が、どうもUncle Ben'sに限っては、あのプラスチックの袋をぶくぶく茹でる調理法がなんかうけつけないのと、パーボイルドライスの食感が好きじゃないのです。別にUncle Ben'sのアンチでもないのですが、個人的に値段くらいしかいいところが見つからなくて。

(Uncle Ben'sのお米が好きな方、フォローできなくてすみません)

 

ちなみにこの「Uncle Ben's のお米を披露して"そんなの米じゃない!"って怒られる」っていうのは「日本人の配偶者/恋人/友人を持つ人あるある」らしいです(夫調べ)。

私のような「お米保守主義」は意外と多いのかもしれません。

 

植物防疫所のページより

https://www.maff.go.jp/pps/j/search/ekuni/eu/eu/keitai.html