ふとそんなことを思いました。
私、日本に帰る予定は今のところありませんが、
今もし帰ったとして、ドイツ語もペラペラには程遠く、
(英語はだいぶうまくなった気がします)、
留学したからこそのキャリアアップ、みたいなのも多分望めないだろうし、
経済的なことを言えば、日本で普通に働いていた方が全くもって豊かだったでしょう。
ある人からすればそれは「失敗」なのかもしれません。
でも、私は来てよかったと思う。だから今のところ「成功」だと思っている。
なんでこんなことをいきなり思ったかというと、
何かを調べていたときに、ネットで
「海外で日本人とつるむことの是非」みたいな議論を見かけまして。
こういうところで必ずひとり、言う人がいるんです、
「お前は何のために留学したのか。そんなんじゃ留学失敗に終わるぞ」と。
昔の私だったら真に受けていました。
今なら「ほっといて❤️」って思うんですけど笑。
別に、語学が上達しなくたって、
日本人と仲良くなっちゃったって、
本人が「成功」と思えばそれでいいと思います。
別に誰に迷惑をかけているでもなし。
あ、お金を出したのが親御さんだったら、
親御さんには文句を言う権利があると思いますよ、もちろん。
「せっかく海外に行ったのに日本人と仲良くなっちゃって(または怖くてひきこもっちゃって)語学が上達しなかった自分」に気づいて、
そこを日本で生きていく上で改善していこう、って気づけたなら、
それは大成功なんじゃないかと思うのです。
あと、個人的には、日本人のコミュニティとの距離感は、ひとそれぞれでいいじゃない、と思う。
本当に、付き合うにしろ、付き合わないにしろ、メリットデメリットはあるので。
ただ、若い方ほど、日本人とのつながりはもっていた方が良いと思います。
そう思うようになったのは、ある本を読んだのがきっかけでした。
これは、「将棋の子」などでも有名な大崎善生さんのノンフィクション。
19歳の日本人留学生の女性と33歳の自称指揮者の男性が、
彼女の留学先のルーマニアで出会い、最後、心中してしまうお話。
この男性が病的な虚言癖で、本当にどうしようもない奴なんだけど、
彼女の孤独な心は惹きつけられてしまう。
自分の19歳を振り返ってみると、まだまだ未熟で、まあ、そういうことが起こっても仕方ない気がした。
彼女が留学していた街は、現地日本人は数えるほどしかいない、
ネット環境も整っていないような場所だったというから、さらに同情してしまう。
うまくまとめられませんが、留学や海外滞在は、本当に個人的な体験であって、
本人のステータスに加え、行く場所や時期、期間、目的などにより、千差万別です。
何百人も留学生を見てきたエージェントとかなら一般論として語る何かをお持ちでしょうが、
そうでなければ、それは「個人的な体験」という文脈で語ったほうがいいのでは、
というか自分はそのように伝えていくであろう、ということでした。