死ぬまでにしたいいろんなこと

墺太利(おーすとりあ)滞在6年

ある日の昼ごはん

お昼を久しぶりにレストランに食べに行った。

 

オーストリア料理のお店。

 

その日は「肉!」という気分だったので、

スペアリブのグリルを注文した。

何回かこのレストランは来たことがあって、

スペアリブが巨大なことは知っていたので、

1つだけ頼んで夫とシェアすることにした。

 

雨上がりで、太陽は出てるけどそんなに暑くなかったので、

中庭の席をとった。午前中の激しい雨のせいかお客さんはまばら。

この季節だと昼時はいつも満席らしいのだけど。

夫は大きなりんごジュースのサイダー割りを、

私は小さなエルダーフラワーシロップのサイダー割りを頼んで、

飲みながら料理を待った。

 

向かいのテーブルにスペイン語を喋るおばちゃんがひとりで席を取った。

観光客らしい。このレストランはあたりだよ!と心の中でつぶやく。

 

隣の席のご婦人は二人とも犬連れで、

肉料理の匂いに浮き足立ったポインターが "Platz!!"(=伏せ!)と叱られている。

 

運ばれてきたスペアリブは相変わらずの大きさで、

2つ頼まなくて良かったー、と胸をなでおろした。

 

甘辛いソースで照り照りかがやいていて、

上にフレッシュタイムが乗っかっている。

 

フレッシュタイムの葉を指でこそげ落として、

肉の上にパラパラとかける。

ソースがべっとりしているので、うまいことひっかかってくれる。

 

ナイフで肋骨と肋骨の間を切り離し、

1本手にとって肉にむしゃぶりつく。

 

おいしい!

 

甘辛いソースと、脂ののった肉、おいしさをタイムのさっぱりした風味が引き立てる。

 

ディップは、白とオレンジ色。

白はガーリックとサワークリーム、オレンジはフルーツっぽかった。

ガーリックは好きなんだけど、サワークリームの風味が苦手な私はもっぱらオレンジ色のをつけて食べた。ディップをつけるとさらにおいしい。

つけあわせのポテトフライも、ローズマリーとパプリカが効いていておいしかった。

 

あっという間に完食。

ごちそうさまでした。

 

普段はあまり肉を食べないので、たまにがっつり食べるとすごい満足感。

骨つきの肉をかじる、という行為がさらに、エネルギーを得た!という感覚を増す気がする。

 

最近ハマっている食べ物:アーモンド入りオリーブの塩漬け

オリーブって日本にいる時は好きではなかった。

 

スペインバルとかで飲み会する時に、酒飲みの人が頼むもの、って感じで。

塩っ辛いし、チーズとかついてくるし(私は乳糖不耐)。

 

オーストリアにきて、オリーブはかなり身近な存在になり、

どこにでも売ってるし、たまに夫が買ってくるんだけど、

種をとるのが面倒だし、

種なしかと思いきや種が入っていて歯が欠けるかと思ったこともあるし(それは自分の不注意)、

種なしかと思いきやそこにチーズが詰めてあったり、

プレーンで種なしだと、よく漬かりすぎるのか、私にはしょっぱすぎるのだった。

 

そんな時に出会ったのが、

種の部分に皮を剥いたアーモンドが入っているやつ!

 

アーモンドは硬いので、アーモンド自体しょっぱくはならないし、

さらに真ん中の穴をアーモンドがカバーすることによって、

オリーブの塩分もひかえめに・・・!

そしてオリーブのふにゃっとした食感と、

アーモンドのほどよいカリカリ感がよい。

 

最近は、小腹が空いた時や、

読書の友に、これをかじっている。

 

それにしても塩分がすごいので、食べ過ぎは良くないし、

水をガブガブのまなければならないが、

ポテチとかよりは健康な気がする。

 

Oliven mit Mandeln (Olive with almond)

の名前でスーパーとかで瓶詰めが売っているし、

市場のオリーブ屋さんでも売ってるので、

おすすめ。

ラジオから流れてきた日本語

料理をしながら、台所ではいつもラジオを聴いている。

全て聞き取れるわけではないが、何について話しているのかはなんとなくわかる。

 

昨日のヘッドラインニュースは、

ワールドカップ準決勝のイングランドクロアチアについて、と、

 

日本の大雨の被害についてだった。

 

しばらくニュースに聞き入っていると、

現地からのリポートとして、被災者のコメント(実際の音声、日本語)にかぶせて、ドイツ語の翻訳が流れてきて、

 

オーストリアのラジオから、日本語がほんの数秒でも流れてきて、

でも内容があまりにも辛すぎて、

悲しかった。

 

日本はなんて災害が多い国なんだろう。

 

言葉が見つからない。

料理ばかりしている

休みといえども、旅行の予定以外は特にやることもなく、料理ばかりしている。

 

いや、正確には、やるべきこと、やったほうがいいことは、たくさんある。

 

本当は夏休みを利用してドイツ語学校に行きたかったが、諸事情あって、やめた。

自習しようと思ったが、三日坊主どころか15分坊主くらいだった。

 

運動もしようと思ったが、以下略。

せっかく痩せたのに、夏休みの終わりにはまん丸になっている気がする。

 

仕事が1年、忙しすぎたので、まあ、体と精神がリセットを求めてるんだわとかなんだとか自分に都合のいい、いいわけをしてやり過ごす。

 

最近作ったものは、

 

作り置き用のカレー(チキンと玉ねぎ)

作り置き用の餃子(冷凍しておくと便利)

かぼちゃのムース(焼きプリンにせずにゼラチンを使うと冷凍できるのだ!)

ミルクティのプリン

がんもどき(これも冷凍可)

お豆腐ハンバーグ

 

などなど。

 

夫も私も、決まった時間に食事をするという習慣がなく

(お腹が空いたら食べる。空いてなかったら食べない)、

 

そして毎度の食事を一緒にするという習慣はないため

(食べたい人が食べたいものを食べる。いちおう声はかける。休日一緒に料理して食べるときは事前に相談して買い物から一緒に行く)、

 

必然的に冷凍保存可能なものを作り置きするようになった。

 

先日、乾燥麹を手に入れたので、

水に戻して塩麹を作っている途中。

 

できあがったら、鶏肉でも焼いてみようと、今から楽しみにしている。

 

ここ1週間、ゴロゴロして、料理して食べて、ゴロゴロしてばかりいる。

 

夫には

「なにか趣味を作ったほうがいい!」

と心配されているが、

趣味をつくろうという試みは腐る程試し、

紆余曲折を経て「仕事が趣味」という結論に至ったため、

旅行は楽しみだが、正直言うと、

「早く仕事はじまんないかなー」と思っていることは、内緒。

 

 

怒涛の一週間

長い夏休みをもらった。

残業や有給の調整も兼ねてるので、1ヶ月以上。

日本人の感覚からするとびっくりな長さである。

 

そして、夏休みに入る直前に、同じ会社の違う部門から仕事のオファーをもらった。

それがなんと、私の憧れの仕事、というか夢そのものだったのだ。

 

その場合、今の部門から離れなければいけない。

給料は大幅に下がる。

ウィーンから引っ越さなければならないので単身赴任。

夫とはなかなか会えなくなる。

さらにもらった夏休みは帳消しになり(お金はもらえるけど)、

すぐに仕事をしなければならない。

さらにさらに、噂によると、そこの部門、あまり人間関係が良くないらしい。

 

なんていうか、

「夢の仕事を今から始められる!」

というメリットを除けば、デメリットというか、リスクだらけのオファーだった。

なんだろう、よく言えばチャレンジしがいがあるし、悪く言うとやりがい搾取的な側面があるオファーというか・・・

 

で、結局のところ、断った。

 

オファーをもらった時は、

「いやいや、お金とかなにより、このチャンスをとらないでどうする!?」

という感じで、もうこれは、よっぽど条件悪くなければ決定だな!!と思っていた。

 

数日そのポジションでお試し感覚で働いて(無給)くれということで

うろうろ周りを手伝いつつ働いてみたところ、 

 「すごい!夢の舞台!」という気持ちになり、

先方も気に入ってくれたらしく「やったー!足りない人材が即補給できるー!もう来週からスタートして!」

という感じで、双方ハッピー!という感じだった。

 

 

そして、契約書のコピー(さすがにその場でサインはしなかった。しろと迫られたけど笑)をもらって、ウィーンに帰った。

 

で、夫に契約書を見せて、メリット・デメリットを表にしてみたところ、

上記のように、この仕事、

「夢が叶う!」以外にめぼしいメリットがなかった。

 

で、いろいろ、本当にたくさん、考える要素はあったのだけど、

私の中で一番大きかったのが、

「早く夢の仕事について経験を積みたい」

という気持ちと、

「ウィーンの家で夫とゆっくりしたい」

という気持ち。

 

私は昔、やりがい搾取みたいな環境で働いてたことがあるので、

それはもうこりごり。

それでも目の前に憧れの仕事がある状況で、

本当に、頭痛どころか吐き気がするほど悩み、

信頼できる友人たちに散々、要領を得ない相談の電話をかけまくった結果、

 

家族(夫)との時間を、大事にすることにしました。

 

一応礼儀と思って、自腹で交通費出して先方にお断りに行ったところ、

てっきり私がその日から働くもんだと思っていた事務の人に、

わりと無礼な態度をとられ、さくっと傷つく。

 

いや、契約書にサインしてないんだから、なにも悪いことはしてないんだけど。

こっちだって、かなり前向きな姿勢を見せといて断るんだから、

かなりの罪悪感はあり、そこにつけこむような言動でしたね。

 

それを見て、

「あー、お断りしてよかったのかも」

と思えたのが収穫というか・・・

 

そんなこんなで、夏休み1週間使って、

自腹で移動しまくり、大したことじゃないとはいえ数日無給で働いた上に、

先方の期待をひっくり返してがっかりさせ、

それに対する罪悪感に苛まれつつ、

プチ暴言(サインしないなら家に帰れ!)吐かれて帰ってきました。散々だな!

 

 

どっと疲れました。

 

結婚したり、家族ができて、幸せの形が変わる人が多いことを、

「家族ができると、”守り”に入るやつが多い」

っていうのかもしれない、と、ふと思った。

 

 

 

 

 

 

 

私の好きなカクテル

今日は久々にアルコールが飲みたくなった。

私は飲み会(レストランでの食事含む)以外はまったく酒を飲まないので、家でこういう気分になると、

飲みたいものが家にないので困る。

夫が常備している酒は私の好みでなかったり強すぎたり・・・。

 

 

酒に弱くて、しかも味もそんなに好きじゃない私がこの時期飲み会でよく頼むのは、

HUGO(フーゴ)というやつ。

 

これは、スパークリングワインをベースに、

(プロセッコかゼクト

ホルンダーシロップ(英語だとエルダーフラワー、ニワトコの花のシロップ)と、

お酒に弱い人はさらに炭酸水、

仕上げにミントの葉とライムが入ったカクテルで、

まあこれが非常に飲みやすい!

 

お酒に弱い人は炭酸水多め、もしくはワインなしで炭酸水だけにして、ただのホルンダーソーダにしてもらってもおいしい。そして見た目が同じなので周りにばれない。

作り方も簡単なので、お家でも作れる。

ストローでミントとライムを潰して飲むとさらにリフレッシュ感が増す。

(お行儀的に正しいかどうかは知りません)

 

残念なことに、今日はスパークリングワインは我が家になかったので、

(ミントもライムもなかった)

おうちフーゴはできなかった。

 

かわりにベイリーズを飲んでるけど、なんかちがうんだよなあ・・・

(冬の飲み物な気がする)

 

 

 

サッカー日本代表勝利と、あんまり関係ないようでちょっと関係あったオーストリア

朝起きて、隣を見たら夫も起きていて、

私は今日は仕事が休みなので、こんなに早く起きてもったいないな、と思っていたら、

夫がもう眠れないから朝ごはんでも食べてテレビ見ながら寝落ちを期待しよう、と言ったのだが、

私はお腹が空いていなかったので、彼だけ朝ごはんを食べて、二人でゴロゴロしながらテレビを見た。

 

それでも眠れないので、昼ごはん(私にとってはブランチ)の買い出しにスーパーに行き、あれこれと買って、部屋に戻り、夫はすぐに調理を始めた。

台所のラジオをつけて、時々調理を手伝いつつ、ときどき携帯をいじりつつしていたら、突然夫が歓声をあげたので、なんのこっちゃと思ったら、

「日本勝ってるよ!1−0だって!」とのたまう。

 

しばらくラジオを聞いて、ああ、ワールドカップのことか!と納得したが、私と同じで全くサッカーに興味がない夫にしては珍しい言動だと思い、それを指摘したところ、

「だって日本好きだし。コロンビアも行ったことあるし好きだけど、日本の方が身近だから応援したくなって」とのこと。

 

そんな夫を見たら、私も無関心でいるのがもったいない気がして、それからしばらくラジオを聞き入っていた。しかし、何の関係もない日本対コロンビアの試合の経過をラジオで放送してくれるって、オーストリアとはなんとフットボールが好きな国なのだろうかと感激し、放送もどの国に対してもリスペクトを感じる内容で、感心した。

 

余談だけれども、サッカー日本女子代表がワールドカップで大活躍した時も、オーストリアでかなり有名な新聞が、澤選手の記事を1面使って書いていて、なんというか、とてもスポーツに関してフェアなんだな、と感心したことを思い出した。

 

すぐに1-1になってしまい、私と夫はあーあ、とがっかりしたが、そんなこんなで昼ごはんが完成してしまったので、ラジオに聞き入るのは一旦中断。

 

ご飯を食べて、私は外出し、夫は家で仕事。

 

外出先から夜戻ったら、夫が

「日本、勝ったよー!」

と教えてくれた。

 

というわけで、全然サッカーに興味ない輩に言われても嬉しくないとは思うのだが、

日本代表のみなさん、おめでとうございます。

 

キャンプ地(?)がオーストリアインスブルックだったというのは父から新聞記事のリンクがLINEで送られて知っていて、

ああ、あそこはお天気がいいからね、とだいぶ前に夫と話したことを思い出した。

そんなこんなで、少しの間だけ、にわか日本代表ファンになった夫婦でした。