死ぬまでにしたいいろんなこと

墺太利(おーすとりあ)滞在6年

最近の読書記録

 

【1冊目】

帚木蓬生「閉鎖病棟

閉鎖病棟 (新潮文庫)

閉鎖病棟 (新潮文庫)

 

 なんだかおどろおどろしい名前だが、内容はそんなことはない。

 

福岡にある精神病院の入院患者のヒューマンドラマである。

彼らの中には重大な罪を犯したものもいる。

でも、善意の医療従事者や患者同士の助け合いで、

開放病棟とは言いながら閉鎖的な世界でも、幸せを見つけていく。

暗いエピソードもたくさん出てくるが、全体を通して優しい気持ちになれる小説だと思う。

 

作者は現役精神科医である。

理想は交えているかもしれないが、現実から遠く離れたことは書いていないだろう。

昨年の夏、日本では障害者施設で大変いたましい事件が起きたばかり。

この小説は、今、読むと事件に対する考えが広がると思う。

 

【2冊目】

 三浦しをん「ロマンス小説の七日間」

 ロマンス小説の翻訳者である主人公の女性の、締め切りまでの七日間をつづった恋愛小説。

恋人とのごたごたに悩む精神状態が、彼女の翻訳に影響を及ぼし、訳するどころかいらんエピソードを加えて話を改竄しちゃうなど、とんでもない行動をとめられなくなる。

さらっと読めて、とくに大きな感動もないが(失礼)、でもどんどん読めるし、読後感のさっぱりした良い本だった。

食べ物で例えるとシャーベットみたいなパンナコッタみたいな杏仁豆腐みたいな感じ。

 

読書がはかどってる時って、私にとっては仕事が滞っている時なので、

あまり良い兆候とは言えませんw