死ぬまでにしたいいろんなこと

墺太利(おーすとりあ)滞在6年

かくたみつよづくし

昨年1番お世話になった本は、角田光代の「ひそやかな花園」だった。

ひそやかな花園 (講談社文庫)

ひそやかな花園 (講談社文庫)

 

 生まれにちょっと特殊な事情がある子供たちのアイデンティティの話。

 

もともと角田光代氏の小説はだいぶ前に「空中庭園 」を読んだきりで(家にあった)、これがまた「げんなり系あるある小説」(あー、わかる、わかる、と思う場面ばかりでかつ読後感がゲンナリする小説のことを私はこう分類する)だった。

それ以来こういう小説ばかり書く人なのかと思って、当時の私は小説くらい希望を持たせて欲しいと思っていて、なんとなくそれきりだった。

 

昨年は実験/研究で煮詰まりまくっていて、精神状態が「うわあーーっ!」となった時は必ず小説かマンガの衝動買いをしていた。

字も読みたくないような時はマンガ、でもそれだと持続性がないので、現実から頭をそらす時間をしっかり持ちたい時は文庫を3冊くらい。時間もお金もないし、小説を買う時は9割が文庫。まあそれだと最新作は読めないのだが・・・

その衝動買いのうちの1回のうちの1冊が「ひそやかな花園」だった。

陳腐な感想だが、読後「ああ、生まれてきてよかったねえ」と感じる事ができて、すごくうれしかった。いい読書の経験をもらった。

 

年末に今年読んだ本のリストを見てお世話になった賞を決め、作者へのお礼として買ったのが「彼女のこんだて帖 」。

長編が読みたい気分だったので、読みはじめの時は「あっ!しまった、ショートショートの集めたやつか・・・」と思ってしまったのだけど、結果、えらんでよかった。思わず巻末のレシピを見てクッキーを焼いてしまったほどだ。

で、さらに追加で買ったのが「人生ベストテン 」。

でもこっちは「空中庭園」系だった・・・げんなりまではいかなかったけど・・・

 

先週、ツタヤのクーポンがあったので、なんか一冊本を買おうと思ってぶらぶらしていたら、角田光代の新しい文庫「おまえじゃなきゃだめなんだ 」が面陳列されていて、まったく買う気はなかったのだが(読んだ事ない他の作家を買おうと思っていた)、とりあえず手に取って裏のあらすじを読もうとしたところ、

 

落とした。

 

で、買った。

 

ちょっと背中の角がへこんでたし迷う余地もなかったw

 

まだ読んでいない。最近頭の中が考え事で多忙なのでしばらく読めないかもしれないけど、楽しみがあっていい気分。

 

「お世話になった作家に、本を買って感謝する」