死ぬまでにしたいいろんなこと

墺太利(おーすとりあ)滞在6年

初冬のある日の記録、Christkindlmarkt

先日、仕事終わりの夫と待ち合わせて、クリスマスマーケットに行くことになった。

 

ここ数日のウィーンはめっきり冷え込んで、みぞれだの雪だの雨だのが毎日降っていて、朝から晩までどんよりと暗く、じめじめして、つまりウィーンの冬の通常営業が始まっただけなのだけど、

だからウィーンの冬が苦手な私は、とにかく外出する口実がいつも欲しくて、そんなことがなければ仕事以外は家にこもりっきりになってしまう。

 

その日も朝から空はねずみ色で、冷たい雨が降っていて、私は自分の足の冷たさで起きる始末で、夫と約束したことを早くも後悔した。

 

平日夕方の雨のウィーンは、観光客もいなくて閑散としている。

ミーティングが終わった夫と落ち合って、歩く。

 

ウィーンでは最大規模の市庁舎(Rathaus)のマーケットが一番近かったので、そこに行くことにした。地元民は「観光客しか行かないよ」なんて言うけど、ライトアップされた市庁舎はすごく綺麗だし、大きいツリーもあるので、私はけっこう好き。屋台もたくさん出ていて見応えがあるし。

 

お腹が空いていたので、人間の顔みたいに大きいジャガイモを焼いたものに、サワークリームをこれでもかと乗っけてある "Ofenkartoffel" をまず食べる。私はにんにく入りのサワークリームとハム。夫はセイヨウアサツキ入りのサワークリームとハム。

2人で一つでよかったかもしれない・・・というくらい大きかった。

 

お腹が満たされてもまだ寒いので、名物のあったかいアルコール(Glühwein とか Punsch)を買いに行く。ベリーのプンシュが美味しそうだったので、二人ともそれを頼んだ。

飲みながら屋台を冷やかして歩いた。キャンドルを入れるとウィーンの名物が浮かび上がるガラスの置物が、お土産物にしては結構きれいで、夫が日本に行く時とか、誰かへのプレゼントにいいかもしれない、と言い出したので、どの絵がいいか?とにらめっこする。

夫はモーツァルトがいいんじゃない?と言ったけど、私は妙にリアルなモーツァルトがなんかイヤで(真面目な顔したおじさんをじっと見たくない)、Sisi と宮殿とか、シュテファン大聖堂とかの方がいいよ、と建物推し。結局、市庁舎とオイゲン公(たぶん、夫いわく)に落ち着いた。

 

二人ともプンシュを飲み終わったので、カップを屋台に返してデポジットのお金をもらい、串刺しのフルーツにチョコレートをかけてあるやつを一つ買って、半分ずつ食べて、帰った。

お腹は満たされて、あったかいし、幸せな気分で帰った。

 

冬は毎年冬季うつで悩まされるので、こういうことの積み重ねが、重要。