私の目は日本人としてはそれなりにぱっちりしている方だと思う。
「お人形さんみたい」にくりくりしているわけではないが、
少しつり気味で、でもちゃんと白目が見えるので「目力が強い」と言われる。
自分の顔の中でもっとも好きなパーツである。
だがしかし!
ヨーロッパでは「Asian eyes」とひとくくりにされてしまうレベルである。
友人や同僚にたまに「世界が狭く見えたりする?」というジョークを言われることがある。
「小さくて可愛い目」と言われることもある。
ジョークだとわかっているし、本当に褒めてくれてるというのもわかっている。
そしてたしかに欧州の人の目の「ぱっちり」加減はもう、
比較の対象にならないレベルなので、腹も立たない。
ただ、人種が違うから骨格も全然違うわけで、
仕方ないとはわかっているけど、
それでもやっぱりあの、マツエクもアイラインもマスカラもいらない印象的な目を見ていると、うらやましくなってしまう。
そして、仕方ないとはいえ、ちょっとだけ、傷つく。
そしたら先週、上司と世間話しているときに、何かの拍子に目の話になって、
彼女は私の目のことを、
「アーモンドのかたちの、きれいな目ね」
と表現した。
そういえば、最初のルームメイトのイタリア人のエリー(仮名)も、
私の目のことを「アーモンドの形で素敵」と言ってくれたのだった。
鏡を見てみれば、たしかに私の目の形はアーモンドにそっくりだ。
スペインやイタリアの暖かい地方では今、
アーモンドの花が綺麗に咲いているらしい。
アーモンドの花は日本の桜に似ていて、春の風物詩なのだそうだ。
(私は写真でしかみたことがない)
だからたぶん、アーモンドは「美しい」印象がある植物なのだろう。
そう考えると、自分の目に対するコンプレックスが、やわらぐ。
(もしかしたら小さい目のことを褒める時のおきまりの社交辞令なのかもしれない)