死ぬまでにしたいいろんなこと

墺太利(おーすとりあ)滞在6年

久々に日本の小説「対岸の彼女」

なんだか最近、頭の働かなさが尋常じゃない。

何をするにも集中力がなく、

何もする気にならない。

これはヤバいと思い、
留学してから初めて、
日本語の小説を読む事にしました。

 

対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女 (文春文庫)

 

 今年の始めからハマって読んでいた角田光代ですが、

有名どころを外していたので、こちらを。

 

あまり明るくない女子高生時代を過ごした「葵」と「小夜子」は、

雇用主と被雇用者として小さな旅行会社で出会う。

「葵」は高校生の時、親友「ナナコ」と逃避行の旅に出た過去があった。

 

「葵」と「小夜子」、

「ナナコ」と「葵」の物語が交互に描かれる。

「女子高生」という生き物である2人、

「女子高生という生き物だった」女性2人の友情についてのお話。

 

とてもいい小説だった。

自分の高校生時代を思い出した。

自分で言うのもアレだが、

私も女子高生だった時、特有の、

繊細な感性を持っていたと思う。

 

「葵」と「ナナコ」の逃避行は、

突拍子もないものに思えるのかもしれないけど、

自分にとってはとても身近だった。

何かの拍子にそういう風になる可能性は、

自分にだってきっとあったと納得できる。

 

 

自分の女子高生時代を思い出させてくれた、という意味では、

桐野夏生「リアルワールド」も印象的だった。

 

リアルワールド (集英社文庫(日本))

リアルワールド (集英社文庫(日本))

 

 こちらは仲良し女子高生4人組が、

殺人事件をきっかけに、

大変なことに巻き込まれて行く、という話。

 

どっちもそんなに愉快な内容じゃないけど、

「女子高生」という生き物が理解できない人にはおすすめです。

不要な恐怖を煽る事になるかもしれないけど(笑)

 

それにしても、この女子高生の描写は、

やはりご両人とも女性作家であるから出来た事だと思う。