なんだか最近、頭の働かなさが尋常じゃない。
何をするにも集中力がなく、
何もする気にならない。
これはヤバいと思い、
留学してから初めて、
日本語の小説を読む事にしました。
今年の始めからハマって読んでいた角田光代ですが、
有名どころを外していたので、こちらを。
あまり明るくない女子高生時代を過ごした「葵」と「小夜子」は、
雇用主と被雇用者として小さな旅行会社で出会う。
「葵」は高校生の時、親友「ナナコ」と逃避行の旅に出た過去があった。
「葵」と「小夜子」、
「ナナコ」と「葵」の物語が交互に描かれる。
「女子高生」という生き物である2人、
「女子高生という生き物だった」女性2人の友情についてのお話。
とてもいい小説だった。
自分の高校生時代を思い出した。
自分で言うのもアレだが、
私も女子高生だった時、特有の、
繊細な感性を持っていたと思う。
「葵」と「ナナコ」の逃避行は、
突拍子もないものに思えるのかもしれないけど、
自分にとってはとても身近だった。
何かの拍子にそういう風になる可能性は、
自分にだってきっとあったと納得できる。
自分の女子高生時代を思い出させてくれた、という意味では、
桐野夏生「リアルワールド」も印象的だった。
こちらは仲良し女子高生4人組が、
殺人事件をきっかけに、
大変なことに巻き込まれて行く、という話。
どっちもそんなに愉快な内容じゃないけど、
「女子高生」という生き物が理解できない人にはおすすめです。
不要な恐怖を煽る事になるかもしれないけど(笑)
それにしても、この女子高生の描写は、
やはりご両人とも女性作家であるから出来た事だと思う。