死ぬまでにしたいいろんなこと

墺太利(おーすとりあ)滞在6年

今週のお題「海外旅行」

今週のお題「海外旅行」

初めての海外旅行は大学生の時に母と行った韓国・済州島だった。
当時、私は大学の講義と実習とバイトとサークルで忙殺されており、
たった3日の夏休みしかとれなかった。
3日で行ける海外って限られてて、済州島になったわけだ。

よくある安いパックツアーだった。
1日目はホテルに着いておわり。
2日目に観光。
3日目の午前も観光で、最後にお土産屋に寄らされるという(笑)

母はうきうきしていた。
実家から大学に通っているはずなのに、
深夜、両親が寝静まった頃に帰宅し(または帰宅後、死んだように眠ってしまう)、
早朝、朝刊が届くより早く家を出る次女との、初めての海外旅行。

母は朝起きて、テーブルの上に私のために用意した夕飯がなくなっているのを見て、
私が生きているのを実感していたという。
(もはや座敷童レベル)

話がそれてしまったが、母はうきうきしていた。
私はそんな母を見て、嬉しくて、でも切なくて泣きそうだった。
空港で母が常備薬を忘れたことに気付いたり(姉が電話して来た)、
(予備を持って来ていて事なきを得た)
ちょっとしたトラブルはあったが無事、日本を出発。

ホテルに着くのは夕方だから、シャワー浴びてホテルの地下のカジノに行こうね♡
なんて話していたのに、あろうことか、私は、寝た。

ホテルに着いて即、シャワーも浴びずに、15時間、ぶっ通しで、寝た。

朝起きた時の母の寂しそうな顔を見て、
自分の親不孝っぷりに再び泣きそうになった。

それでも旅は楽しかった。
何でもない食事が、おばちゃんだらけの観光地が、韓流ドラマの撮影地だとか言って、
ガイドさんが案内してくれた海岸が。

あと覚えてるのは、ガイドさんが親切な方で、
なんとなく気が合って、離れ難い感じがして、
電話番号を教えたのだった。

後日、日本に帰ってから、電話がかかって来たのだけど、
なんであんなに親しくなったのかわからないくらい、
話題が出てこなくて、せっかく電話してくれたのに、
すごくそっけなく終わってしまった。

別に誰が悪いわけじゃなくて、
離れ難いのは当然で、そういう事するのも自然だったんだけど、
旅の熱の大事さを痛感した出来事だった。

私はあまり旅行で自分で撮る素人写真が好きじゃなくて、
写真は一枚も撮ってない。

だから、初めての海外旅行で一番覚えているのは、
痛烈なほどの、切なさだ。


夏休みに、母はウィーンに遊びに来るそうだ。
その時は、楽しいガイドができると思う。
そのためにも、ひとりでも、もっと観光しなきゃ・・・!