死ぬまでにしたいいろんなこと

墺太利(おーすとりあ)滞在6年

冬のおしゃれ

中学のとき初めて読んだ江國香織の小説が「落下する夕方 」だった。

 

 

彼氏にふられた女のひとと、その彼氏が夢中になっちゃってる女性の、奇妙な愛情の話。

 

ちょっと中学生には早かったのかもしれないけど、

いくつかのシーンがとても鮮烈でしかも今でもそれを覚えているのだから、

読むにはいいタイミングだったのかもしれない。

 

そのうちのひとつに主人公が元カレに迫りに行く前に、カフェのトイレでペディキュアをぬる、というのがあった。

 

変な丈の白い靴下をはいて田舎臭いふくらはぎのダサさを強調しているような典型的イモっぽい中学生だった私は、

 

「大人の女性は男に迫りに行く時は足の爪まで気にして行くものなんだ・・・」

 

と素直にショックを受けた。

 

今思えば私はなんて不憫でかわいい中学生だったのでしょう・・・。

 

まあ実際は夏に素足にサンダルになる時期だけちょっとは頑張るけど、

秋の訪れとともにほっといて自然に摩擦ですり切れる

(とともに爪の自然なターンオーバー)にまかせる、怠惰な大人になりました。

 

いつか『足の爪まで手を抜かないのがいい女の条件よ』みたいなデキ女のテンプレみたいなことを言ってみたかったが、

最近身の丈にあってないし別に望んでもいない事に気づき、

まあでもペディキュアって自分は見てるからそれでテンションあがるよね、っていうことで、今日、夜、爪を切っているときに、ペディキュアを塗ろうと思い立った。

 

前に友達にもらった鉄っぽいワインレッドの、ちょっとメタリックだけど上品な色のネイルカラーがあったので、それを塗った。

 

塗ってから毎回、乾いたと思って寝て朝に『ゔあああー!!』ってなる事を思い出し、ネットで調べたが時既に遅し、

 

「早く乾かしたいなら速乾製品を使いましょう」

 

とのこと・・・

 

まあこの色がよかったんだから仕方ないけど・・・

 

冷水につけるとか他の努力はしてみたので、おとなしく朝を待とう・・・

 

でも、致命的な事に、

 

わたし、うつぶせ寝なんだよね・・・

 

「冬にペディキュアをぬる」