死ぬまでにしたいいろんなこと

墺太利(おーすとりあ)滞在6年

なんでもない春の一日

あまりに書かないでいすぎると、どんどん書くのがおっくうになってくるので、

今日はただの日誌。

 

ウィーンはここ一週間とってもお天気が良く、

さすがにもう雪が降るような崩れ方はしないだろ!という安心感がある。

 

そう、やっと春が来た!

 

先日は日中ひなたなら、半袖で過ごせるような陽気。

 

しばらく会っていなかった友人とお散歩デートをした。

 

ただただあてもなく歩き、途中でカフェにより、

ケーキを食べ、トイレを借り、

また歩く。

 

ただただ話しながら歩く。

 

2時間も歩いた。

 

彼女の目は陽が当たると濃いブルーで、

それが青みがかったピンクの口紅に映えて、

とても美しかった。

 

 

私もはっきりした色の口紅を使いこなせるようになりたい・・・!

日本人の名前よびづらい問題

私の名前は同じ年頃の日本人女性の名前としてはごく普通である。

 

そして残念ながら海外対応ではない。

 

(まりあ とか れな とかは海外対応と勝手に思っている)

 

なのでオーストリアの仕事場でも非常に呼びにくそうにされる。

 

(3音だし長いとか複雑なわけではないのだけど多くのヨーロッパ人には発音が難しいらしい)

 

いっときは欧州対応のニックネームを考えて、それを名乗ったこともあったのだけど、

 

(中国とかインドネシアとか、韓国の人も国際的な仕事してる人はイングリッシュネーム名乗る人、多いですよね)

 

なんかしっくりこなくて、やめた。

 

あと、大学の時の同僚たちに

 

「そのアジアな感じがいいんだから、そのままでいい!」

 

と言われたので、もうめんどいし本名でごり押しすることにした。

 

そしたら新しい職場でも、

最初はみんな、呼びにくそうにしていたが、

そのうち慣れてきて、ほとんどの人は私の本物のファーストネームで呼ぶし、

どうしても覚えられない人は、苗字や名前をてきとうにもじったりして呼んでくる。

 

私の苗字はSから始まるので、

 

SONY!! とか SUZUKI!! とか 笑

 

あとは スワロフスキー!! とか。長くなってないか??

 

よっぽど変な意味でなければ、お好きに呼んで頂きたい。

(実はスワロフスキーがお気に入り❤️)

 

 

引っ越す

夏に引っ越すことになった。

 

今は郊外の一軒家に住んでいるのだけど、

今度はもっと街中のフラット。

Wohnfläche (人が実際住む面積)は今の家の1/4 くらいになる。

 

こないだ見学に行ったのだけど、荷物を入れたらおそらくすごい圧迫感になりそう。

日本の住環境と比べれば格段にいいけれども(立地と値段にしてはとても広い)、

間取りが、

 

リビングどーん!!!!(!の数で広さをイメージ)

寝室どん!

もう一つ部屋がどん

で、台所とトイレとお風呂せっま!!!!

 

って感じ。

なんていうか、オーストリア人ぽい間取りです・・・

(お風呂と料理と洗濯だいすき日本人としては一部屋なくしてでももっと他の部分に力を入れて欲しかった)

 

なんで引っ越すかというと、

今の家は賃貸で今年いっぱいで契約終了(海外赴任中の家主が帰国)なので、

いずれ理想の終の住処に移るにしろ、

どうせ引っ越さなければいけなかったわけです。

 

で、都心の方が私が仕事に行くにしてもなんにしても便利だし、

終の住処にはならないけど、

偶然かなり好条件のフラットが見つかったので(事故物件じゃないよね)(オーストリアに大島てるはない)、

お金の節約にもなるし(フラットの方が家賃が安い)、

さっさと引っ越してしまおう!という。

 

 

なんか私、オーストリアに来てから引っ越してばっかりだな、

と思ってカウントしてみたら、

 

なんと3年で 7回 も引っ越している。

オーストリアに来た時と今準備中の引っ越し含め)

 

これはもう、

「引っ越し魔」

と認定してもらえるレベルなのでは・・・

 

 

永田カビ著「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」が英語版に!

一昨年、話題になった永田カビさんの「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」

 

過食症やうつ、数年にわたるひきこもり生活を送る主人公が、

「親の評価がなにより重要な自分」による支配をやめ、

「自分を大事にする」ことを許し、

自分のセクシュアリティに向き合って行動することを軸に、

また「社会」に繋がっていこうとする姿が描かれている。

 

はじめて読んだ時、内容も素晴らしいと思ったけど、

なによりここまで自分をさらけ出して分析して、

分析しきれてないところも正直にさらけだす、

その勇気を、とにかく尊敬した。

 

先日、ふとドイツのアマゾンをふらふら見ていたら、なんと英語版が・・・!

www.amazon.de

https://images-eu.ssl-images-amazon.com/images/I/61PrMOws40L.jpg

(なぜかe-book edition は、おっぱいとおしりがハートで隠されている。笑)

 

amazon.com の評価もとても高い。

 

この本は、同じ病気やセクシュアリティで悩んだ人でなくても、

なんらかの理由で「自分を大事にできない」ことで悩んだことがある人や、

実際に悩んでいる人には、勇気を与える本だと思う。

 

だから言語も文化も違う人たちにも共感を持ってもらえたんだろう。

 

家庭内のことも赤裸々に描かれているから、

英語版でもきっとこれからいろいろとキツイ批評もあるだろうけれども・・・

 

書店で見つけたら必ず買おうと思う。

マンガのなかに出てきた独特の表現がどう英語に訳されているのか、

とても気になる!

ヨーロッパでも三寒四温

先々週〜先週はヨーロッパに大寒波が来て、

ウィーンも含め各地で大雪、

複数の空港も閉鎖される始末だったけど、

先週末から突然あったかくなった。

 

やっと春が来たー!!

 

とか思ったら今週末からまた大寒波で雪・・・

 

職場の同僚に聞いたところ、

オランダやドイツでも三寒四温みたいな表現があるらしい。

ちなみにオーストリア人に教えてもらったのは、前にも紹介した、

 

April, der macht was er will.

 

というやつ。

 

意味は、「4月、ヤツはやりたいことをやる。」

 

みたいなかんじ。

 

 

yyyamori.hatenablog.com

 

今度オランダ人になんていうのか詳しく聞いてみよう。 

 

「アーモンドのかたちの目ね」

私の目は日本人としてはそれなりにぱっちりしている方だと思う。

 

「お人形さんみたい」にくりくりしているわけではないが、

少しつり気味で、でもちゃんと白目が見えるので「目力が強い」と言われる。

 

自分の顔の中でもっとも好きなパーツである。

 

だがしかし!

 

ヨーロッパでは「Asian eyes」とひとくくりにされてしまうレベルである。

 

友人や同僚にたまに「世界が狭く見えたりする?」というジョークを言われることがある。

「小さくて可愛い目」と言われることもある。

ジョークだとわかっているし、本当に褒めてくれてるというのもわかっている。

そしてたしかに欧州の人の目の「ぱっちり」加減はもう、

比較の対象にならないレベルなので、腹も立たない。

 

ただ、人種が違うから骨格も全然違うわけで、

仕方ないとはわかっているけど、

それでもやっぱりあの、マツエクもアイラインもマスカラもいらない印象的な目を見ていると、うらやましくなってしまう。

 

そして、仕方ないとはいえ、ちょっとだけ、傷つく。

 

そしたら先週、上司と世間話しているときに、何かの拍子に目の話になって、

彼女は私の目のことを、

 

「アーモンドのかたちの、きれいな目ね」

 

と表現した。

http://01.gatag.net/img/201507/29l/gatag-00012527.jpg

 

そういえば、最初のルームメイトのイタリア人のエリー(仮名)も、

私の目のことを「アーモンドの形で素敵」と言ってくれたのだった。

 

鏡を見てみれば、たしかに私の目の形はアーモンドにそっくりだ。

 

スペインやイタリアの暖かい地方では今、

アーモンドの花が綺麗に咲いているらしい。

アーモンドの花は日本の桜に似ていて、春の風物詩なのだそうだ。

(私は写真でしかみたことがない)

 

だからたぶん、アーモンドは「美しい」印象がある植物なのだろう。

 

そう考えると、自分の目に対するコンプレックスが、やわらぐ。 

 

(もしかしたら小さい目のことを褒める時のおきまりの社交辞令なのかもしれない) 

 

結婚した

2年くらい交際したオーストリア人のパートナーと先日、結婚した。

 

結婚の話はずっと出ていたのだけど、

私の就職が実現するまで待っていてくれた。

滞在許可に対するプレッシャーがない状況での私の返事を待っていてくれたのだった。

 

下世話な言い方をしてしまえば、私がビザが欲しいが故に気持ちを偽って"yes"と言ってしまう可能性を排除した、ということになる。

 

彼は自分の防御のためにそうしたのではなく、

あくまで私の本当の気持ちを優先したいからそうしてくれたのがわかっていたので、

とても嬉しかった。

 

お互いの知人、友人の国際結婚カップルに話を聞いたところ、

オーストリアでは日本みたいに書類を書いて提出したら結婚できるわけでなく、

最低でも証人を2人連れて簡単な儀式的なものをしなければならないとのこと。

だから予約が必要で、ウィーンでやるなら3ヶ月は待たなければならないという話だった。

 

双方クリスチャンならクリスチャン式のセレモニーをすることができる。

そうじゃない場合でも親族を呼んで簡単なセレモニー的なものを行うことができる。

セレモニー的なものをする場合はもっと待たなければならないという噂。

 

私たちはお互いあまり信心深くないし、そもそも私はクリスチャンではないし、

とりあえず一番かんたんな証人だけ連れて行くスタイルのものを予約しようということで、書類が揃っているかのチェックをしてもらう目的も兼ねて、ある日役所にふたりで出かけた。

 

ウィーンの冬はあいかわらずで、

毎日じめじめしていて、車の窓から見える空は灰色で、寒かった。

 

役所は思ったより空いていて、担当の女性のオフィスに呼ばれた。

話を聞くとなんと、2年前に法律が変わって、

今は証人もいらないし、ちゃんと書類が揃っていさえすれば、

二人のサインだけで結婚できちゃうらしい。

 

そして私たちの書類は完璧だった!

(3年目にしてオーストリアのお役所仕事への対応に慣れてきた気がする)

(つまりHPとかに書かれていなくてもありったけの必要な可能性がある書類を持っていくということ)

 

いつ結婚したいですか?と聞かれて、

できれば早い日付で・・・と答えたら、

今からでもできますよ!とのこと。

 

びっくり!

 

そもそも何のセレモニーもいらなかったので、

別に「今から」でもよかったのだけど、

二人ともなんとなく時間が欲しくて、

覚えやすそうな日付だった、3日後の11時を予約してきた。

 

帰り道は何やらほかほかした気分だった。

 

3日後の朝は、二人でテキトウな朝ごはんを食べて、

普通の服を着て、車に乗って役所に出かけた。

 

ここ数日の雨が嘘のように、青い空が広がっていて、

それだけで「さすが私たち!」という気分になった。

 

先日の手続きをした女性のオフィスに呼ばれて、

書類に間違いがないか確認して、

本当に結婚しますか?と聞かれて、はい、と答えて、サインした。

 

彼女はとても親切で、本当に暖かい笑顔とハグと言葉で祝福してくれた。 

 

ドレスもなく、指輪もなく、苗字も変えず、こちらから言わなければ誰にも気づかれない私たちの結婚。

 

結婚した日の空が特別に青かったことを、がんばって忘れずにいようと思う。